通訳者ガイドライン

日本財団電話リレーサービス・モデルプロジェクトは、公益財団法人日本財団が、公共性の高いインフラである電話に聴覚障害者も平等にアクセスできるべきであるとの考えに基づき、わが国における電話リレーサービスの普及と定着を目指し試験的に実施するものである。

1.目的
本ガイドラインは、日本財団電話リレーサービス・モデルプロジェクトにおいて、利用者へ提供するサービスが手話による通訳・文字による通訳に関係なく、サービスを提供するすべての通訳者が遵守するものである。

2.用語の定義
本ガイドラインにおいて使用する用語の定義は以下のとおりとする。

  • 「利用者」とは、電話リレーを利用する聴覚障害者及び聴者をいう。
  • 「かけ先」とは、電話の相手方をいう。
  • 「事業者」とは、通訳サービスを提供する通訳事業者をいう。
  • 「通訳者」とは、事業者に登録している手話通訳者や文字通訳者をいう。
  • 「発言内容」とは、利用者の手話、文字、音声による発言内容をいう。
  • 「電話リレー」とは、電話リレーサービスをいう。
  • 「プラットフォーム」とは、専用プラットフォームをいう。

3.役割
日本財団電話リレーサービス・モデルプロジェクトにおける通訳者の役割は、利用者とかけ先との会話を手話や文字から音声へ、音声から手話や文字に通訳することである。発言内容は、等価で手話や文字、または音声にして通訳しなければならない。

4.守秘義務

  • 通訳者は、電話リレーで知りえた情報を決して第三者へ提供しないこと。
  • 通訳者は、電話リレーで知りえた情報を自己の利益のために用いないこと。
  • 通訳者は、電話リレーで知りえた情報を記録した物・媒体を個人的に所持しないこと。
  • 通訳者は、電話リレーを提供するために必要な範囲を超えて、むやみに利用者やかけ先から情報を取得してはならないこと。
  • 通訳者は、いかなる理由があろうと、電話リレーにおける通話の映像や会話の録音・録画は禁止する。通訳業務をする上でやむを得ず必要なメモや報告、資料等の記録は通訳業務終了後、事業者の指示に従い速やかに破棄・消去すること。

5.態度、振る舞い

  • 通訳者は、日本財団電話リレーサービス・モデルプロジェクトやモデルプロジェクトに参加している関係者に対して悪評を招くような行為や貶めるような行為をしないこと。
  • 通訳者は、日本財団電話リレーサービス・モデルプロジェクトにおける通訳者としての適切な振る舞いに努めること。
  • 通訳者は、電話リレーを提供する上で、常に本ガイドラインに従っていると利用者から信用されるよう努めること。

6.サービスの提供

  • 通訳者は、電話リレーの通話が入った際に利用者に対して「日本財団電話リレーサービスです」と最初に通知すること。
  • 通訳者は、かけ先が聴者である場合に、まず聴覚障害者の通訳で電話をしていること。次に日本財団電話リレーサービスである旨を最初に通知すること。
  • 通訳者は、かけ先が聴覚障害者である場合に、「日本財団電話リレーサービスです。」と通知し、聴者から電話が入っていることを通知する。
  • 通訳者は通訳者の氏名を電話リレーサービス利用者・かけ先に名乗らないこと。通訳者氏名の提示を求められた場合には、サービスの規則により個人名を名乗れない旨を伝えた上で通訳オペレータ番号を通知する。
  • 通訳者は、利用者とかけ先が同じ場所にいるとわかった場合、利用者ガイドラインに違反していることを告げ、速やかに電話リレーを終了すること。

7.正確性

  • 通訳者は、利用者やかけ先の発言内容のトーンやニュアンス等はそのまま通訳し、利用者やかけ先が正確に理解できるよう努めること。
  • 通訳者は、利用者やかけ先の発言内容に対して省略・追加・修正しないこと。
  • 通訳者は、利用者やかけ先の発言内容を読み取れなかったり、聞き取れなかったり、わからなかったりした場合は、発言内容を明確にするよう利用者やかけ先へ求めること。また、誤訳をした時はそれをすみやかに表明し、訂正すること。

8.知識、スキルの維持・向上

  • 通訳者は、利用者・かけ先から、通訳者自身の資格の説明を要求された場合は、速やかに説明すること。
  • 通訳者は、電話リレーを提供する上で、利用者のコミュニティの傾向や現状を把握する等、常に新しい知識や情報を求め、利用者の様々なコミュニケーション能力や傾向に対応できるよう自己研鑽に努めること。

9.職務の範囲・能力の限界

  • 通訳者は、利用者の使用する言語を尊重し、また使用する言語に注意を置き、利用者に分かりやすい言語で通訳を行うよう努めること。
  • 通訳者は、電話リレー提供中に通訳者としての役割以外の業務は行わないこと。
  • 通訳者は、引き受けた電話リレーの内容が自分の能力を超えた専門的なものであれば、速やかに利用者やかけ先にそれを告げ、その通訳業務から手を引くこと。また、同時に所属している事業者の管理責任者へ報告すること。
  • 通訳者は、災害等の理由で電話リレー提供中に危機的状況になった場合は、すみやかに業務から離れること。
  • 通訳者は、電話リレー提供中に利用者やかけ先より嫌がらせや強制を受けた場合は、その旨を利用者やかけ先双方へ通知し、電話リレーを終了することができる。電話リレー終了後、すみやかに所属している事業者の管理責任者へ報告すること。また、その他、問題等を抱えた場合は、すみやかに所属している事業者の管理責任者へ相談すること。
  • 通訳者は、電話リレーを提供する上で、身体的・心理的健康に不安を覚えた場合は、すみやかに所属している事業者の管理責任者へ相談すること。

10.公平・利益相反

  • 通訳者は、個人的偏見を持たず、公正・中立的な立場を保つこと。
  • 通訳者は、通訳者自身が発言内容の当事者や利害関係者となり公平・中立的立場を保つことができない状況になった場合は、通訳を中断し、すみやかに利用者やかけ先及び所属している事業者の管理責任者へ報告すること。
  • 通訳者は、電話リレー提供中に個人的な助言や意見を述べないこと。
  • 通訳者は、電話リレーに関して所属する事業者からの正当な報酬以外に、利用者・相手方から贈答品、心付けその他の金品を受け取ってはならないこと。

11.その他

  • 本ガイドラインに記載されている内容が法令等に反する場合は、法令等が優先するものとする。

附則
2016年2月25日 施行

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